『詩的私的ジャック』森博嗣
以下ネタバレしています。多分。。。
ネタバレを気にせず書くので。
ネタバレ踏みたくない人読まないでください。。。
切実な想い。
〔ココマデ定型文〕
数年前に『冷たい密室と博士たち』で挫折してS&Mシリーズ読んでなかったけど、何故だか手元にあったのですっ飛ばしてこちらを読了。
このシリーズなのか、この作品なのか、この作家なのかわからないが、ミステリである以前に根本がキャラクター小説なのだろうなあと。ミステリとして評価するとなんともとなったけど、キャラクターはすごく良く描けてて、萌絵がかわゆ。
と思っていたらそのように考察してくださっている記事がありました。有難し。
「キャラクター小説」というイノベーション|京極夏彦と森博嗣|仲俣暁生|monokaki―小説の書き方、小説のコツ/書きたい気持ちに火がつく。
https://monokaki.ink/n/n74f73c6bc74f
「新本格」の第二世代ともいうべき京極・森が与えた衝撃は、そもそも自意識を抱えた「人間を描く」という発想が存在せず、はじめからすべてがキャラクターとして造形されていたことにあった。
なんかはなるほどなあと。
現代では青春ミステリみたいなジャンルもあるけれど、当時は違ったのかね。
禅問答のような、違うかな?言葉のラリーはすごく心地が良い。思考の過程をすっ飛ばしたようなやり取り。普段そんな会話をしながらも
内容はちゃんと伝えないとね。それが、言葉の役目だから ――犀川創平
とか言っちゃう。誰が言ってるんやと。
言葉の無駄を減らして意味のなさげ会話を紡ぐ、そういったところはこの作家は“天才”の描き方が上手いと言うか、天才っぽさをすごく感じれる。
新しいノートで書き損じたら破り取りたくなるというのはすごく共感。 犯人は綺麗なイーコールを求めただけ、と。
この私的を詩的と表現してよいものか。
『冷たい密室と博士たち』が合わなかっただけで、この作家さん、実は好みに合ってるのかもなあ。
☆
「私……」「明後日までは、とても待てない」
――西之園萌絵
2021.9.16 読了