私的メモ

自分用の読書録です。ネタバレします。ネタバレしかしません。でもあらすじは書かないからネタバレしないかもしれません。

『ネバーランド』恩田陸

以下ネタバレしています。多分。。。
ネタバレを気にせず書くので。
ネタバレ踏みたくない人読まないでください。。。
切実な想い。
〔ココマデ定型文〕

男子高校生4人の短くとも濃密な冬休みのお話。
全員が過去に闇を抱えて、そのことを共有することで、より彼らの絆は深まっていく。
絆と呼ぶこともおこがましいような、つながり。
なんとなく彼らのそれは“絆”とは呼びたくないな。

統という存在のバランス感覚がこのお話をすごく支えているなあと。
外側にいるようでしっかり彼らと共にいる。
おどけているようで、その裏にはしっかり闇がある。

松籟館という狭い舞台をホームに話が進むのに、すごく奥行きのある深い作品。
重くて死にたくなるような話を爽やかに描ききっている、気がする。

女性が描く男子高校生だなあというのもなんか思う。綺麗すぎ。
男子高校生はもっと馬鹿でつまらない。

光浩の立ち回りはすごく可哀相。
全てを受け止めてくれそうだから周りはみんな彼に甘えてしまう。だからこそ両親も、友人も、皆彼には誠実。
繕ったりしない。
父だから、母だから、友だからという役割を演じることなく、その一人一人個人のままを、
全部受け止めさせられる。
すごく不幸な役回り。強く生きて欲しい。

2021.10.24 読了