私的メモ

自分用の読書録です。ネタバレします。ネタバレしかしません。でもあらすじは書かないからネタバレしないかもしれません。

『本日は、お日柄もよく』原田マハ

以下ネタバレしています。多分。。。
ネタバレを気にせず書くので。
ネタバレ踏みたくない人読まないでください。。。
切実な想い。
〔ココマデ定型文〕

読んでよかった!と素直に思った本。
ただのOLだった主人公がとあるスピーチに心を掴まれたことをきっかけにスピーチライターとなるお話。
スピーチの極意が普通に参考になる。
「静」の大切さ。
言葉ってすごいなって改めて思えます。
ただそう思わせる小説を書こうと思ったら感動的なスピーチを登場人物に話させないといけないわけで、よく書き上げたなあと。

後半は政治や選挙を中心に話がすすむ。
恋愛などで読みやすくなってるのかも知れないけどちょっとチープだったかなあと。
友人の結婚式のスピーチで始まり、主人公の結婚式のスピーチで終わる。
いらんなあ、と。
ワダカマとの恋愛展開も、来るだろうなと思って、やっぱり来たかって、なんだか少女漫画のよう。
全体としてどうしてもストーリーが陳腐な感じ。
心情もどこかありきたりなのかもしれない。
この展開、いらないなあ、といちいち思う。
流産からの流れも、まあ、うん。
そういう読み方で言うとこの作品は特筆するほどじゃないんじゃないかなあ。
それでも私はこの作品、好きだなあ。
お仕事のお話が単純に好きなだけなのかもしれない。
政治のお話も。ドラマの『CHANGE』も好きだったし。

スピーチの極意 十箇条
一、スピーチの目指すところを明確にすること。
二、エピソード、具体例を盛り込んだ原稿を作り、全文暗記すること。
三、力を抜き、心静かに平常心で臨むこと。
四、タイムキーパーを立てること。
五、トップバッターとして登場するのは極力避けること。
六、聴衆が静かになるのを待って始めること。
七、しっかりと前を向き、右左を向いて、会場全体を見渡しながら語りかけること。
八、言葉はゆっくり、声は腹から出すこと。
九、導入部は静かに、徐々に盛り上げ、感動的にしめくくること。
十、最後まで、決して泣かないこと。


「うん。いいほうに変わるなら、変わるほうがいい」
 ――千華

「握手に勝るスピーチを書く。それがおれの使命だ。そして君の」
 ――ワダカマ

なんだろう、この気持ち。何かに似てる。
ああ、そうだ――誰かを好きになったとき、恋してしまった瞬間に似てるんだ。
 ――二ノ宮こと葉

2021.11.9 読了